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買付は現金のほかに,有価証券などを対価にして行われることもあるが,その場合も同様である(証取27条の2第3項,証取令8条2項,この場合の発行開示規制の特例については,証取27条の4)。 応募株券等の保管・返還,買付代金の支払,按分比例方式で買い付ける場合の買付株券等の確定の事務については,証券会社か銀行等に行わせなければならない(証取27条の2第4項)。
応募があった株券等については,公開買付の撤回を行う場合を除き,すべてについて代金支払などの決済をしなければならない。 ただし,公開買付開始公告および公開買付届出書において,次の条件を付した場合は別である(証取27条の13第4項)。
@応募株券等の総数が買付予定の株券等の数に満たないときは,応募株券等の全部の買付等をしないこと。 A応募株券等の総数が買付予定の株券等の数を超えるときは,その超える部分の全部または一部の買付等をしないこと。
この場合は按分比例方式により決済しなければならない(証取27条の13第5項,公開買付府令32条)。 (ロ)条件の変更・撤回・応募株主の解除買付条件等の変更は,開示規制に従えば可能であるが,買付価格の引下げ,買付予定の株券等の数の減少,買付等の期間の短縮については禁止されている(証取27条の6第3項)。
買付等の期間の延長は原則的にはできないが,他の者が同じ対象会社に対して公開買付を始めた場合などに,買付等の期間の延長が認められる(証取令13条5号ロ)。 買付予定の株券等の数について,前述の@の条件を付した場合は,買付予定の株券等の数の増加は原則的にはできないが,その条件の撤回を同時に行う場合か,または他の者が同じ対象会社に対して公開買付を始めた場合などに認められる(証取令13条2号)。

公開買付開始公告を行った後は,公開買付者は公開買付にかかる申込みの撤回や契約の解除をすることは,原則的にはできない。 ただし,対象会社の業務.財産に重要な変更が生じた場合などは,公開買付の撤回等をすることがある旨の条件を,公開買付開始公告と公開買付届出書に付していた場合,または,公開買付者に破産などの重要な事情の変更が生じた場合は別である(証取27条の11第1項,証取令14条)o他方,公開買付に対して応募した株主は,公開買付期間中であれば,いつでも当該公開買付にかかる契約の解除をすることができる。
応募株主は,解除に関して損害賠償や違約金の支払義務を負わず,保管されている株券等の返還費用は公開買付者の負担となる(証取27条の12第1項・3項)。 (ハリ別途買付の禁止公開買付者とその特別関係者など(「公開買付者等」)は,公開買付期間中は,公開買付によらないで,対象会社の株券等の買付等を行ってはならない。
ただし,公開買付開始公告を行う前に締結された契約に基づく買付で,その契約の存在と内容を公開買付届出書で明らかにしているときと,形式基準での特別関係者が実質基準によれば特別関係者でないことを内閣総理大臣に対して届け出たときなどは,別途買付が許容されている(証取27条の5,公開買付府令18条,証取令12条)。 (a)刑事責任公開買付に関する公告・公表について,重要な事項につき虚偽の表示をした者,公開買付届出書,その訂正届出書,撤回届出書,公開買付報告書,その訂正報告書について,重要な事項につき虚偽の記載のあるものを提出した者は,5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処せられ,またはこれを併科される(証取197条2号・3号)。公開買付開始公告の翌日以後に公開買付届出書を提出せずに買付申込などを行った者,提出を命ぜられた訂正届出書を提出せずに買付申込などを行った者,公開買付開始公告をせずに買付等を行った者,公開買付届出書,撤回届出書,公開買付報告書を提出しない者,意見表明報告書,公開買付説明書について,重要な事項につき虚偽の記載のあるものを提出・交付した者などは,3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられ,またはこれを併科される(証取198条2号〜9号)。
公開買付届出書などの写しを送付しない者や公衆縦覧に供しない者,別途買付や決済に関する規制に違反した者などは,10年以下の懲役もしくは600万円以下の罰金に処せられ,またはこれを併科される(証取200条1号・3号.6号〜11号)。 法人の代表者などがその法人の業務または財産に関し,以上の違反行為をしたときは,その法人も処罰される(証取207条1号〜3号)。
(b)民事責任次の者は,当該公開買付に応じて株券等の売付等をした者に対して損害賠償責任を負う。 @公開買付開始公告の翌日以後に公開買付届出書を提出せずに買付申込などを行った者,提出を命ぜられた訂正届出書を提出せずに買付申込などを行った者,公開買付説明書を交付せずに買付等を行った者(証取27条の16.16条,公開買付府令15条)。
A別途買付や決済に関する規制に違反した者(証取27条の17.27条の18)。 B重要な事項について虚偽の記載があり,または表示すべき重要な事186第3章株式・社債など項もしくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の表示が欠けている公開買付説明書その他の表示を使用して,株券等の売付等をさせた者(証取27条の19.17条)。
C重要な事項について虚偽の表示があり,または表示すべき重要な事項もしくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の表示が欠けている公開買付開始公告等を行った者,同様の公開買付届出書を提出した者,同様の公開買付説明書を作成した者(証取27条の20.18条1項)。 これらの者と実質基準による特別関係者となる者,および,これらの者が法人などであるときは,その者の取締役,監査役,理事,監事なども連帯して賠償責任を負う(証取27条の20第3項)。
(c)行政による報告・資料の提出命令と検査権限内閣総理大臣は,公開買付者またはその特別関係者,意見表明報告書の提出者,およびそれらの関係者に対して,参考となる報告もしくは資料の提出を命じ,または当該職員をしてそれらの者の帳簿書類その他の物件を検査させることができる(証取27条の22)。 これらの権限は,内閣総理大臣から金融庁長官に委任され,さらに関東財務局長に委任されている(証取194条の6第1項,証取令40条3号)。

上場会社などが自己株式を「市場外で」買い付ける場合は,株主総会の特別決議がある場合を除き,公開買付の方法によらなければならない(商210条9項,証取27条の22の2第1項1号)。 商法213条1項による株式の消却のための買付で,新聞に掲載するなどして,多数の者に知らせて行う場合も同様である(同項2号)。
この場合の公開買付の手続については,以上に述べてきた公開買付に関する規定の多くが準用されている(証取27条の22の2第2項以下)。 なお,新株予約権付社債券などは自社株買い規制の対象外であるため,これらの証券の発行会社による買付は発行者公開買付規制の対象外である。
自己株取得のための公開買付に特有の規制としては,内部情報の公表・通知義務がある。

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